社労士事務所ココット
帝国データバンクの倒産集計が発表されました。労働者派遣業の倒産件数に関する興味深い統計がありましたので、情報をピックアップしてお伝えします。
• 2025年1-8月の労働者派遣業の倒産は59件と、前年同期比55.3%増となり過去最多のペースで推移。
• 要因は、人手不足で派遣スタッフの確保が極めて困難になっていることであり、市場ニーズに応えられない事業者の淘汰が進んでいる。
• 人材確保のための賃上げや待遇改善が運営コストを圧迫し、収益が悪化して倒産に至るケースが多く見られる。
• 倒産は負債5000万円未満の小規模事業者が半数以上を占める一方、負債1億円以上の事業者も増加しており、地方でも過去最多を記録するなど影響が拡大している。
• 今後も収益確保が難しい、体力の乏しい事業者を中心に倒産の増加は続くと予測される。
目前に迫る労働者派遣法の改正も視野に入れ、このような厳しい経営環境であるからこそ、法令を遵守し、派遣スタッフの適切な労務管理を徹底することは、喫緊の課題になろうかと思います。
【参考資料】
株式会社帝国データバンク「倒産集計 2025年8月報」